[GA4シリーズ]第1回 Google Analytics4とユニバーサルアナリティクス

GA4
2023.10.12

こんにちは。株式会社リプリーのリプコです。

今回から複数回に渡って、GA4シリーズコラムをお届けします。ユニバーサルアナリティクス(以下、UA)がGoogle Analytics4(以下、GA4)に完全移行されて3ヶ月が経ちました(※2023年10月現在・アナリティクス360を除く)。まだGA4を使い慣れていない方も多いのではないでしょうか。

GA4シリーズコラムでは、UAから変わったこと、GA4の特徴、活用方法などをお伝えできればと考えています。なお、主に取り上げるのはWEB領域の内容となります。第1回目では、GA4とUAの違いについてお話します。

Google Analyticsの役割と歴史

言うまでもありませんが、Google Analyticsとは「ウェブサイトやアプリのトラフィックを分析するためのGoogleツール(サービス)」です。誰でも利用できる無償版と、企業向けで有償の360があります。JavaScriptで生成されたタグをWEBサイトに埋め込んだり、Firebase SDKをアプリに埋め込むことで、ユーザーのアクションデータを計測し、管理画面で見ることができるようになります。

少し話がそれますが、Google Analyticsは2005年にUrchin Software Corporationが開発した「Urchin on Demand」をベースに作られたのだそうです。Urchin Software CorporationをGoogleが買収し、Google Analyticsが誕生しました。

2012年に、先代であるUAが発表され、オフラインとオンラインデータの統合など、大きな変革を迎えました。そして2020年にGA4が発表され、2023年にUAからGA4に完全移行となったのです。

2007年からのスマートフォンの普及や、ブロードバンドサービスの飛躍的な普及により、社会で急務となったトラフィック分析がUAで提供されました。そしてモバイル中心の時代が加速的に進み、今度はGA4が開発されたのだと頷けます。

GA4とUAの違い

話を戻し、GA4とUAの違いについて見ていきましょう。両者には大きな違いとして下記のようなものがあります。

内容UAGA4
データモデルセッションベースイベントベース
トラッキング「ユーザー」
「セッション」中心
「ユーザー」のライフサイクル
レポート構造あらかじめ定義されている。ユーザーが自分に
ニーズに合わせて作成。
クロスプラット
フォームトラッキング
ウェブとアプリの
データを別々にトラッキング
ウェブとアプリのデータを
統合し、1つのレポート内で表示
プライバシーとデータ固定的なデータ
保持期間を設定。
データ保持期間を柔軟に設定。
データ削除や匿名化などの
プライバシー設定も強化。

最も大きな違いは、「イベントベース」であるということです。私もGA4を初めて触ったとき、感覚を掴むのにとても苦労しました。長年UAで慣れた「セッションベース」の感覚がどうしても頭から離れず、「イベントベース」という概念が理解できなかったからです。

そして次にGA4を「難しい」と感じさせている理由のひとつが、「レポート構造」にあるかと思います。UAでは、多くのレポートが標準で用意されており、用意されたレポートにセカンダリディメンションをつけて分析すればおおよそ事足りました。

GA4にも標準レポートはあるものの、以前UAでよく見ていたであろうレポートたちの一部は、自ら設定し、準備する必要があります。GAにログインすると、多くの方が最初に見に行っていたであろう「ランディングページ」別のレポートも、GA4では探索レポートを作成する必要があります(と、書いていた矢先、「レポート>エンゲージメント」内に「ランディングページ」レポートができていました!)。

UAに慣れたユーザーには少々とっつきにくいGA4ですが、機能を学んでいくとGoogleがGA4で実現したかったことがわかってきます。そして、今までよりずっと便利に柔軟に、データが分析できるようになっていることが理解できるかと思います。

GA4で変わった代表的なこと

最後に、GA4で新しくなったことをいくつかまとめて、今回のコラムを終えたいと思います。

  • イベントベースのデータモデルにより、詳細なユーザーインタラクションが追跡できるようになった。
  • GTM等を使わなくても、GA4の管理画面でイベントの追加・編集と再定義ができるようになった。
  • ウェブサイトとモバイルアプリ(Measurement Protocolを使えばPOS等のデータも)を1つのプロパティ内で統合して分析することが可能。
  • AIを使用してユーザーのアクションを予測する「予測アナリティクス」が搭載された。
  • オーディエンス条件を変更した後でも、過去データに基づいてオーディエンスを評価できるようになった。
  • 標準データ以外のデータ保持期間が最大14ヶ月となり、その後は削除される仕様となった。また、柔軟にデータの削除が行えるようになった。
  • プライバシー機能が強化され、プライバシーに関する新しい規制に柔軟に対応できるよう設計されている。

UAでGoogle Analyticsに慣れていらっしゃる方も、GA4で初めて扱う方も、違いや特徴を掴んでいただけたでしょうか。

次回は「GA4を設定したら最初に設定したいこと」です。

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