[GA4シリーズ]第3回 GA4のイベントベースのデータモデルとは

GA4
2023.12.12

こんにちは。株式会社リプリーのリプコです。

前回は、「GA4を設定したら最初に設定したいこと」をお伝えしました。今回はGA4の「イベントベースのデータモデル」について触れていきたいと思います。GoogleではGA4のデモデータを用意してくれています。自社のGA4では該当データがなく確認できない場合などは、デモデータを参照ください。本コラムでも、主にデモデータのキャプチャを使用しています。

デモデータ:https://support.google.com/analytics/answer/6367342

イベントベースのデータモデルの特徴

GA4ではユーザーの行動やインタラクションを「イベント」として捉え、それを中心にデータを収集・分析します。データモデルの導入により、GA4はWEBサイトやアプリ内のあらゆるアクションを詳細に追跡・分析できるようになりました。「ページの閲覧」も「ボタンのクリック」も「動画の再生」も、すべてが「イベント」として取り扱われます。

イベントの種類

イベントには、下記の4種類があります。

  1. 自動収集イベント :自動的に収集
  2. 拡張計測機能イベント:自動的に収集
  3. 推奨イベント :収集には設定が必要
  4. カスタムイベント :収集には設定が必要

1.自動収集イベント

多くの一般的なイベント(ページの読み込み、スクロール等)を自動的に収集します。
以下に、自動的に収集されるイベントの例を示します。これらのイベントは、あらかじめ設定しなくても、自動的に計測されレポートのディメンション等に用いることができます。
自動収集イベントについては他にも大量に存在し、公式サイトにまとまっています。

  1. first_visit:ユーザーがサイトやアプリを初めて訪れた際にトリガーされる。
  2. session_start:新しいセッションが開始された際にトリガーされる。
  3. page_view:ウェブページが読み込まれるたびにトリガーされる。
  4. scroll:ユーザーがページの90%までスクロールした際にトリガーされる。
  5. view_search_results:検索結果ページが表示された際にトリガーされる。
  6. file_download:ファイル(例:PDF)がダウンロードされた際にトリガーされる。
  7. video_play、video_pause、video_seekなど:動画コンテンツとのインタラクションに関連するイベント。
  8. click:外部リンクや電子メールリンクがクリックされた際にトリガーされる。
  9. user_engagement:ユーザーがアクティブにサイトやアプリを使用している間のエンゲージメントを示すイベント。
  10. generated_organic:自然検索結果からの訪問を示すイベント。

※上記は一例

2.拡張計測機能イベント

設定場所:管理>データストリーム>該当のストリーム>拡張計測機能の歯車マーク

オンにすれば計測してくれるイベントです。初期設定でもほぼオンのものが多いですが、確認してすべてオンにするか、「これは分析には使わない」「違った形で計測したい」というものがあれば、オフにしても良いかと思います。

3.推奨イベント

ログインや購入手続き完了時など、Googleが推奨するイベントです。原則としてサーバーサイドでしか取得できないイベントのため、GTMなどを使ってイベントとパラメータを送信することで、あらかじめGoogle側で準備しているイベントに記録していくことができます。

イベントの名前やパラメータタイプなどの詳細は下記を参照してください。オンライン販売向け、ゲーム向け等、業界に特化した推奨イベントについても言及されています。

https://support.google.com/analytics/answer/9267735?hl=ja

4.カスタムイベント

特定のユーザーアクションやインタラクションを独自のカスタムイベントとして定義・キーバリューペア(※キーと値で構成されるデータセットのこと)として収集することができます。上記に述べた3つのイベントでは記録できない情報で、かつ集計に使いたいイベントはカスタムイベントで作成します。

  1. イベント名
  2. パラメータ名 または パラメータ値

1と2の組み合わせで設定します。1については他のイベント名と重複しない一意の文字列、2については、String(文字列)またはNumber(数値)のいずれかとなります。カスタムイベントは多くの場合レポートに活用されるかと思いますが、パラメータがStringの場合はディメンション、Numberの場合はディメンションまたは指標に使うことができます。
以前はGTMを使って送信しなければならなかったイベントを、GA内でも設定できるのは大きなポイントかと思います。なお、GA内で設定できるイベントは、すでに収集しているイベントなどから条件設定で絞り込めるもののみであり、GTMを使用しなければ送信できないイベントもあります。引き続きGTMも併用していく形が多いかもしれません。


今はあらゆる行動がWEBサイト上で行うことができ、ビジネス上の指標も様々です。ページを見た、会員登録した、購入した、という単純なイベントだけでは網羅しきれなくなった計測指標に柔軟に対応できるように、カスタムありきの設計となっています。イベントパラメータを理解しカスタムしていくことができれば、今まで気づかなかった視点から数値を分析することができるかもしれませんね。

次回は「GA4のオーディエンス機能」です。

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